授業中に居眠りして怒られる


 午前九時頃――
 高校生の少年、瑛司(えいじ)は授業を受けていた。
(う……眠い…………)
 瑛司は眠気に負けぬよう必死に目を開かせていた。
(来週はテストだ。ここで眠るわけには……ん?)
 瑛司はふと左に目を向ける。隣の席に座っているのは、中学の頃から馴染みのある少女――彩花(あやか)。彼女は気持ちよさそうに机に突っ伏して寝ていた。
(おいおい、次のテストで赤点取ったらヤバいから頑張るって言ってたじゃねぇか!)
 瑛司は肩をツンツンと触り、小さな声で呼びかける。
「おい、起きろ……!」
「…………?」
 目が覚めた彩花であったが、目が半開きで微笑みを浮かべており、寝ぼけた状態であった。
「何?」
「いや何じゃなくて、真面目に授業受けないと赤点取るぞ」
「……あっ、ごめん。ありがと」
 彩花は自分が寝ていたことに今気づいた。彩花は真剣な表情で授業に取り組む。
「…………」
 不安が残っていた瑛司であったが、自分も真面目に授業を取り組まないとと思い、前を向く。
「……………………」
「………………すぅ」
「!?」
 寝息が聞こえた瑛司は、驚いた顔で彩花の方を向く。起きて間もなくして、再び眠りについていたのだ。
「寝るな……! 寝たら死ぬぞ……!」
 瑛司は彩花の肩に手を置いて、彼女の体を揺する。
「?」
目覚めた彩花であるが、またも寝ぼけた状態であった。
「あれ? マヨネーズになったんじゃないの?」
 授業中であることも忘れている彩花は、大きな声で訳のわからないことを言った。
「マヨネーズになったってどういうことだよ!? どんな夢見てたんだよ!」
 瑛司も思わず大きな声でツッコミを入れてしまう。
「おいそこの二人! 授業中だぞ!」
 女教師が厳しい口調で瑛司と彩花を叱る。
「はい! すみませんでした!」
「はい! すみませんでした!」
 二人は口を揃え、同時に立ち上がって頭を下げる。その様子にクラスメイト達がクスクスと笑った。