株式会社旭プロダクション
白石スタジオ 作画
鈴木知里さん

卒業生インタビュー

1973年創業、半世紀以上の歴史を持つ総合アニメーション制作会社です。「世界中に感動を届ける」をミッションに掲げ、テレビアニメや映画など多彩な映像制作を手がけています。
撮影技術からスタートした強みを活かし、現在は制作、作画、CGI、撮影、編集までを自社で一貫カバーする総合力が特徴です。業界に先駆けて完全ペーパーレスの白石スタジオを開設し、デジタル作画環境の構築や地方での人材育成にも注力しながら、次の100年へ向けて成長を続けています。

写真:鈴木知里さん

仕事としてのアニメーション。ルールを知って、世界が変わる瞬間。

当校広報担当:
専門学校に入学したとき、最初に“プロになる”実感が湧いた瞬間はいつですか?
鈴木さん:
学生時代に、動画番号の付け方やタイムシートの書き方など、実際の制作現場で必要になる知識を学んだ時ですね!
それまでは、「キャラクターを動かす」という漠然としたイメージだけで「アニメーション」を考えていたんですけど、実際にはその裏に細かなルールや工程があることを知って、初めて“仕事としてのアニメーション”を実感しました。
当校広報担当:
知識を深めたことで改めて感じたんですね!
鈴木さん:
そうですね!趣味で描いていた頃とは違って、作品全体の流れを考えながら動きを設計していくことに責任も感じましたし、それと同時に面白さも感じました。
そんな経験を通して、「この世界で仕事がしたい」という気持ちが、より強くなったのを覚えています。
当校広報担当:
技術だけでなく、制作現場ならではのルールや工程を学んだことが、プロとして働くことを現実的に捉える大きなきっかけになったのですね。

完成図を想像する力、次の工程を知ることが、作品を変える。

写真:鈴木知里さんインタビュー
当校広報担当:
学校で学んだ中で、今の仕事で1番役に立っているスキルや考え方は何ですか?
鈴木さん:
一番役に立っていると感じるのは、After Effectsを使った動画制作の経験です。
作画だけでなく、After Effectsで撮影 (コンポジット) の作業も経験したことで、映像がどのように仕上がっていくのかを知ることができました。
そのおかげで、仕事で原画を担当する時も「最終的にどういう映像になるのか」をイメージしながら制作できるようになっていると思います。
当校広報担当:
アニメ制作は作画以外にも、たくさんの工程がありますもんね。
鈴木さん:
そうですね、実際に原画マンとして働くようになると、撮影担当に向けて指示を書く場面も多くあります。学生時代に、撮影作業を経験していたので、「どう書けば伝わりやすいか」を相手の立場で考えられるようになったのは、とても大きかったですね!
当校広報担当:
学生時代に作画後の工程まで経験していたことが、今の仕事にしっかりつながっているんですね。

人に見てもらうことが、上達への近道。

当校広報担当:
就活で一番苦労したことは何ですか?
鈴木さん:
一番苦労したのは、背景の中にキャラクターを自然になじませることでした。
頭では背景のパースやキャラクターの立ち位置を理解しているつもりでも、いざ実際に描いてみるとどうしても違和感が出てしまって…なかなか思うように描けなかったんです。
当校広報担当:
なるほど…。それはどのように乗り越えたんですか?
鈴木さん:
広角や望遠といったレンズの考え方や、物と人との比率を意識しながら描くようにしました。あとは、自己完結させずに、先生からチェックしていただいたことも大きかったと思います!自分では気づけない視点からアドバイスをいただけたことで、背景と人物を自然になじませる考え方が少しずつ理解できるようになりました。
一人で悩み続けるのではなく、周りの人に見てもらいながら改善を重ねたことが、自分にとって大きな成長につながったと感じます。
当校広報担当:
先生から直接フィードバックを受けられる環境を積極的に活用されたことが、上達の大きな後押しになったのですね!

優しいだけじゃない。それがプロの現場。

当校広報担当:
入社して最初に感じた“想像とのギャップ”は何でしたか?
鈴木さん:
一番驚いたのは、現場が想像していたよりもずっと温かい雰囲気だったことです!
入社前は、アニメーターは黙々と作業をしていて、厳しい指導が当たり前というイメージを持っていました。でも実際は、皆さんとても優しくて、質問をすると自分の手を止めてまで丁寧に教えてくださる方ばかりでした…。
入社した頃は、新人が私一人だったので、不安やプレッシャーも大きかったのですが、先輩方が気さくに声をかけてくださったおかげで、少しずつ緊張もほぐれていきました。
当校広報担当:
気さくに声をかけてもらえるのは、とてもありがたいですよね。
鈴木さん:
もちろん、優しいだけではありません。改善したほうがいいところはしっかり指摘してくださいます。でも、その一つひとつが成長につながるアドバイスなので、安心して学べる環境だと感じています。「優しさ」と「プロとしての厳しさ」の両方があることが、入社して一番印象に残ったギャップでした。
当校広報担当:
「優しさ」と「プロとしての厳しさ」が両立しているというお話を伺って、現場の雰囲気がよく伝わってきました。成長を支えてくれる環境だからこそ、安心して仕事に取り組めるのですね!

苦手だからこそ、向き合い続ける。

当校広報担当:
逆に、今でも苦手だと感じることや克服中のことはありますか?
鈴木さん:
今でも特に苦手だと感じているのは、戦闘シーンの原画です。
動きが大きく、スピード感や迫力を表現しなければならないのですが、どうしても絵が硬くなってしまうことがあります。勢いを出したいと思っても線がまとまってしまったり、ポーズの伸びや抜きが足りずに、動きがぎこちなく見えてしまうがあります。
戦闘シーンでは、キャラクターの重心移動や体のひねり、タイミングの強弱など、普段以上に動きへの理解が求められるので、今も勉強中です!
丁寧に描こうとすると逆に硬さが出てしまうので、まずはラフの段階で思い切って大きく動きをつけることを意識しながら、少しずつ改善しているところです。
当校広報担当:
確かに「苦手だからこそ向き合う」という姿勢が、プロにとっては大事ですよね。

作品に、命が宿る瞬間。完成の瞬間が、何よりうれしい。

写真:鈴木知里さんインタビュー
当校広報担当:
今の仕事の“いちばん楽しい瞬間”はどんな時ですか?
鈴木さん:
一番楽しいと感じるのは、自分が描いたシーンに色がついて、キャラクターに声が入った瞬間ですね!
線画だったものが彩色され、声や音が加わることで、一気に作品として完成していくんです。その瞬間は、「本当にアニメになったんだ」と毎回嬉しくなります。
自分が描いた動きが、映像として完成していくのを見るのは、今でも一番の楽しみです。
当校広報担当:
作画の工程だけでは、アニメは完成しないですもんね。
鈴木さん:
はい。特に、ラフの段階では想像するしかなかった雰囲気や感情が、仕上げや音響によって想像以上に豊かに表現されていることも多くて、「こういう作品になるんだ」と感動することもあります。
完成した映像を見るたびに、この仕事の面白さをあらためて実感しています。
当校広報担当:
視聴者は完成した作品しか見ることができませんが、その裏にはそんな楽しみがあるんですね。

高校生に一言メッセージをお願いします!

当校広報担当:
プロになった今だからこそ伝えたい「高校生のうちにやっておくと得すること」は何ですか?
鈴木さん:
高校生のうちにぜひやってほしいのは、とにかくたくさんアニメを観ることです。好きな作品を観るのはもちろんですが、普段あまり観ないジャンルにも積極的に触れてみてほしいですね。
仕事では、自分の得意・不得意に関係なく、さまざまなジャンルや動きに対応しなければなりません。アクションが苦手でもアクションを描くことがありますし、日常芝居が得意でも、迫力のある戦闘シーンを担当することもあります。だからこそ、学生のうちにいろいろな作品に触れて、自分の引き出しを増やしておくことは、きっと将来の力になります。
当校広報担当:
では、最後に同じ業界を目指す高校生に一言メッセージをお願いします!
鈴木さん:
たくさん観て、たくさん描いて、たくさん感じてください。その積み重ねが、自分だけの表現につながっていくと思いますし、皆さんの「好き」は、きっと将来の武器になります。その気持ちを大切にしながら、ぜひ挑戦を続けてください!
当校広報担当:
「好き」という気持ちを信じて挑戦し続けることの大切さが伝わるお話でした。
これからアニメ業界を目指す高校生にとって、大きな励みになるメッセージをありがとうございました!

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